プランニングの手順1 ~プランニングは何から始めるか~
プランニングは何から始めるか??
のびのび子ども住宅 九万田です。
先日、施工店の担当者さんと話をしていました。
当社は設計・施工・不動産の売買を仕事としています。
打合せから設計、そして施工まで一貫しているのが特徴です。
そして一方で
施工店からプランニングの仕事と設計実務の仕事を請け負うことも多くあります。
打合せは通常通り当社が行うのですが、施工店の独自の作り方がありそれを活かした設計をしてほしいというお話で、
プランニングと設計実務の部分だけを当社で請け負うというやり方です。
そして
施工店の人から
『プランニングって何から始めるんですか??』と素朴な質問がありました。
というのは
『最近、お客様がご自身でプランニングをしてくる方が増えてきているように感じます
自身で書かれるのはいいんですが、結局、まとまりがなくて。。。』という話。
当然ご自身の家ですから、理想の家を目指して自分でいろいろ考えるのはいいことです。
イメージしてイメージして。
ただ、なかなかです。
何がなかなかというと、
●構造が成り立たない
●全体像がつかみ切れていない
●パーツパーツで考えている
あー、、、
一言で言えば、全体像がつかめていないに尽きますね。
じゃあ、設計事務所って何をやって進めていくの?という素朴な疑問にいきついたんだと思います。
いつもやっていることなので、改めて書き出すようなことでもないのですが、
設計の手順みたいなこと。
まあ、
基本的なことなのですが、知っておくと便利というか、いつまでも住み続けたくなる家にするためのコツとでも言いましょうか、
これから家のことを考える方には大事なことだと思いますのでお伝えします。
普通はやってしまうこと
あなたなら何からスタートしますか?
プランニングです。
自分が欲しいと決めた土地、
もしくは今住んでいる土地に新しく家を建てようと考えた時、何からスタートしますか?
リビングは〇〇畳あって
玄関はここで
子供部屋は〇部屋あって
みたいなことをやりませんか?
たぶんやりますよね。
家の中の動線を考えているんです!とか
家具のレイアウトを考えながら!!
なんてことをやってますよね。
悪いことではありません、
大事なことだし、必要なことです。
でも
のびのび子ども住宅ではやりません。
おそらく
どの設計事務所もやりません。
下手な工務店とかはするかもしれませんが、
設計で仕事をしている人、意匠設計で仕事をしている人たちはそこからプランニングはしません。
家の間取りも大事ですが、
もっと大事なことがあるからです。
家の間取りよりも大事なことって何よ!!って思うかもしれませんが、
間取りよりも空間づくりが大事になるんです。
建売の間取り図を見ていて例えば延べ床面積が35坪とあったとします。
その間取り図からして広々した感じが伝わるかもしれませんし、
その間取り図を見て自分たちの暮らしにはこれくらいの広さが必要だ感じるかもしれませんね。
しかし本当にそうなのか?と疑ってみてください。
実際の「広さ感」というのは違ったりします。
35坪じゃなくても30坪でも豊かに暮らせて、一生住み続けたいと思える家にする方法があるんじゃないか?と考える。
それは
間取りではなく空間を考えるということなのです。
35坪じゃなくても30坪でもさらに広く感じるように設計するにはどうするだろう??とか
空間を考えていくことが大事だと考えるからです。
それをするにはまず何からしなければならないか。。。
土地を見極める
まず大事なのは土地を見極めることです。
見極めるとは何かというと、
その土地にも、いろいろあって、
いいところ、悪いところがあるわけです。
前面道路には電柱があって車の出し入れがしにくい場所があるな、
駅の方向からすると人は対側ではなく、敷地側をしょっちゅう歩くんだろうな、
隣の家のトイレがここにありそうだ、
おお~ここの眺めは最高だな
お隣の木がきれいに見えるんじゃないの!!
日射がこの位置からはすーっと入ってきそうだな!
土地といってもいろいろです。
広さや価格、駅からの便利さなんかにとらわれがちですが、
一生住む家を考えるのには、
やはり土地の良いところ悪いところを見極める必要があります。
だったらその土地を見て、
まずは 一番いいところ、
一丁目一番地といわれるところは何かを定めることからスタートするということです。
一丁目一番地には何を配置するのかが決まると、
その家のテーマが決まります。
この家はこの部分を活かすがために作るんだというコンセプトが出来上がっていくということです。
明るさかもしれません、
借景かもしれません、
プライバシーを守る方法かもしれませんし、
風の通り道かもしれません。
その土地の一番いいところを活かしてあげる。
料理人の仕事とよく似ているかもしれないし、
美容師の仕事とよく似ているかもしれません。
食材の一番おいしい料理の仕方
髪の毛のクセを活かしたカットの仕方
同じように 土地の一番いいところを活かすやり方は何かを考えることからプランニングはスタートします。
それが
一番いいところを家族のスペースからどのように見えるかを考え
その家の空間全体にどのように取り込んでいくかを考えるということにつながります。
家は
外の景色を取り込み、家の空間と一体にさせることでより広さを感じられるようにする。
そとの景色と一体になることで、家の中が自然豊かになることもあるでしょうし、
逆に異空間にいるように感じられる空間に作り上げることもできます。
大事だからもう一度
設計を始める前にプランニングは土地のいいところを見極める
です。
その次は、何をするかは次回にお伝えしますね。