土地探しからの家づくり
おはようございます。
高槻市の1級建築士事務所 のびのび子ども住宅 九万田です。
昨年からご相談をいただいているお客様が検討されている土地について現場訪問をしてきました。
理想の家を求めて
今年こそマイホームを!!
そのように考えて多くの方が住宅展示場や町のモデルハウスに出かけて行ったりしますよね。
あるいは、不動産会社に相談に行かれる方もいるでしょう。
しかし、理想の家を求めていても、どうも違う、しっくりこないなんてことがあるかもしれませんね。
住宅展示場の家は豪華できらびやかですが、凝りにこったデザインであったり、現実的でない大きさであったりします。
また
町のモデルハウスもしかりで、生活感のなさに違和感を感じたり。。。
不動産は不動産で、お金のはなしばかり。。。
理想の家を求めても、帯に短したすきに長しといった感じでしょうか。
設計事務所である私たちがどうして家の設計だけでなく、土地探しを一緒に行っているかというと、
もちろん、不動産業の免許を持っているからなのですが、
そのほうが早いんじゃないのかな?と思うからです。
早いというのは、何と比べて早いかというと、
住宅展示場やモデルハウスといった家も素敵なのでしょうが、自分自身にマッチした家を考えるなら、
建築家といっしょに歩んだほうが理想に近づくのではないかという発想です。
わかりにくい土地の良し悪し
建築家と一緒に進んだほうがいい、そしてそのほうが早いと考えるのは、
良い悪いがわかりにくいということがあります。
何がというと、
その土地が良い悪いがわかりにくい、
それだけでなく、
その土地がその家族にとって良い悪いがわかりにくいうことです。
土地はすべてが四角くなく、平でもありません。
不動産のチラシには道路とフラットと書いていますが、実際には50センチの段差があったりする土地がありますが、
たかが50センチ、されど50センチ、50センチの段差のある土地は車の出入りはできませんし、
50センチの段差は階段を3段ないし4段は必要になり、そしてそれだけのスペースをつくる必要があります。
そう
土地の良いところ、悪いところを見分けるのは非常に難しいことだと思うんです。
設計事務所を営んでいる私たちは
それが普通に気づくことですが、細部にまで気づくことは難しいでしょう。
事実、
今回のブログに掲載した画像の土地ですが、あらかじめご家族だけで見に行ってもらいました。
できるだけ細かく写真を撮っておいてください、とお願いし、それを送ってくださいとも依頼しました。
がしかし、本当に数枚の画像が送られてきました。
見ている部分はすごく少ないのだなーと感じます。
道路の高低差だけでなく、お隣の建物との距離や窓位置、建物と建物との間や光のさす方向。
電柱や車の出入りに気になる部分があるのかどうかなど、
細かく細かくチェックし、何度もその写真を見直して、この土地の良いところ悪いところを判断していかなければなりませんが、
そうか、その判断も難しいのだろうなーと思うのです。
実際私たちが現地にいくと、100から200枚ぐらいの画像になりますし、
同時に動画も数本とっておきます。
そして一人でやるのではなく、二人で行い、一人の視点ではなく二人それぞれの視点で画像を残しておくことが大事。
現場調査は客観的にする必要がありますが
どうしても主観が入りますので、それを防ぐために二人で行います。
それくらい、土地の良し悪しというのはわかりにくいのだと思うんです。
名建築で昼食を
その土地の良いところ、悪いところを、十分に考え、
その家族にとって理想の住まいを提案していく。
それが家づくりですが、
そこには家のコンセプトが詰まっていきます。
不動産業者さんのチラシにある建物はどうしてもそれがわかりにくし、
住宅展示場のモデルハウスはとんがり過ぎてそれもわかりにくい。
自分たちらしい、家族らしい家づくりって何だろうなーと考えてもらえたらうれしいのですが。。。
今好きなドラマといえば
『孤独のグルメ』と『名建築で昼食を』です。
どちらもテレビ東京系列。
孤独のグルメはちょっとおいといて
名建築で昼食をは、建築家として見ていて楽しいばかりでなく、あー建築だなーと思わせられます。
乙女建築という言葉がしきりに出てきますが、
こだわりといいますか、それはいつも私たちがいう、コンセプトなのかなーと思ってみています。
細部のこだわりには、その建築家のコンセプトがやどり、建物全体は、そのコンセプトであらわされます。
まるで音楽のようです。
一つ一つの楽器、パートがありますが、それは極みですが、それが集まり一つの音楽となります。
そして一つ一つがばらばらであることはなく、一つ一つが全体につながっていきます。
いや、全体が一つ一つになっていくのでしょうか?
一色多、多色一の世界感です。
家族のコンセプトをその土地の良いところを活かしつつ、建物をコンセプトどおりに仕上げる。
そう思えば、土地探しは建築家と一緒に進めることがいいのではないかなーと感じるんです。