寝屋川市の注文住宅 新築工事=屋根工事
こんにちは
1級建築士事務所 株式会社のびのび子ども住宅 九万田です。
今日から防水のお話。
防水の施工はいろいろあります。
屋根もそうですし、外壁もそうです。
木造住宅で一番の大敵は雨漏れですから、防水についてはしっかりと施工をしなければなりません。
- もくじ
- ルーフィング施工
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ルーフィング施工
木造住宅はといいましたが、木造住宅に限らずですね、
雨漏れは一番の大敵です。
コンクリート住宅においても雨漏れが進むと、中の鉄筋がさびてきて、錆が膨らみコンクリートが割れてきます。
爆裂なんていいますが、そもそものコンクリートの強度が大きく劣ってくる原因です。
だからかぶり厚さが重要になってくるのですが、
これは木造住宅の基礎工事の時にお話ししましたことですね。
木造住宅においてもやはり雨漏れは重大な事故。
蒸れ腐りが進みますし、シロアリの被害も出る原因になります。
もちろん、家の中にシミが出てくることで不快な気持ちになりますね。
今日は上のほうから話をしていくとして
まずは屋根の防水についてから考えていきたいと思います。
屋根の防水は基本は2工程からなりますが、
まずはルーフィング施工をし、その上に屋根材を葺いていく作業です。
ルーフィングの作業は屋根専門の業者さんが施工をしますので、まず問題はありませんがどういうことをチェックするのかは知っておく必要がありますね。
その点についてからお伝えしていきます。
ルーフィングは上棟後できるだけ早い段階で行います。
まずはルーフィングをしておけば屋根部分から雨がはいってくることがまず防げるからですね。
施工は屋根をきれいに掃除してから行います。
また、野地板といわれる屋根下地の板の上に貼っていくのですが、
野地板の釘がしっかりと打たれていて飛び出しがないかどうかを全部確認していきます。
もちろん野地板を施工した大工さんが一度チェックを全数するのですが、
屋根屋さんも全数チェックします。
そうでなければ
その釘を最後に屋根を葺いたときに凸が出来てしまいます。
そうならないように施工前にチェックをするんです。
そして
ルーリングの施工です。
簡単そうで難しいルーフィン施工なんです。
いつも使っているルーフィング材は、粘着剤が裏面にほどこされているタイプ。
田島の商品です。
遅延粘着性なので張り直しが効くのですが、そうそう張り直しをしては粘着性が悪くなりますので
いっぱつで施工します。
粘着性があるためぴったりとひっつき防水性がさらに高まるわけです。
そういう材料出ないルーフィングもありますが、
のびのび子ども住宅はルーフィングも防水性を考えるとこういったものを使った方がいいと考えています。
ちょっと知っておいてくださいね。
そして貼り終わるとどういうことにチェックするかです。
ここからがさらに大事ですね。
まずは重なりです。
ルーフィングは下から順に重ねて貼っていきますが、その重なり幅も決まっています。
専門業者が施工するので当然わかっていることですが、念のためにチェック。
こうやって線のところに重なりがきているのかどうかを確認します。
屋根の端を見ればわかりますので、確認しておきましょうね。
そしてスケールをあててみてチェックしておく。
ちゃんとできているんだなというのが分かります。
それから左右の重なりです。
上下の流れ方向の重なりだけでなく、横方向の重なりがある場合はチェックが必要です。
ロール状のルーフィングを貼っていくわけですが、当然途中で切れてしまうこともあるわけで。
その時は重ねしろをとって貼っていく。
重ねしろもギリギリでは横からの雨漏れが起こる可能性もありますから、
しっかりと重ねていく。
40センチ以上の重ねがあると安心ですので、それ以上を重ねるようにと指示しています。
こんなふうにです。
今回の屋根や片流れの屋根形状ですので基本的にはこの2点。
切妻屋根や寄棟屋根によっては
棟の部分の重なりを確認したりします。
棟の部分は雨漏れの原因になりやすいので、重ねを25センチ以上、3層にする。
寄棟の屋根は谷部分ができる場合がありますので、その場合は90センチ以上の重なりを設ける。
こういったチェックが必要になってきます。
そのほかにも
下屋根部分の立上りや
下屋根と壁との交点部分などのチェックも怠ってはいけません。
部材と部材の取り合い部分、交差する部分は非常に雨漏れリスクが高まる部分。
こういった部分の施工状況については細心の注意が必要です。
下屋根部分からルーフィングが立ち上がっていますが25センチ以上あるのか?
角部分の施工状況はどうか?
屋根をぐるっと回ったところの壁との取り合い部分。
防水は念には念を入れよです。
しっかりと白い防水気密テープで施工完了しました。
ルーフィングが完了したら屋根葺きです。
屋根葺きはその技術力ですね。
どのように曲げるとかっこよくなるのか、みててワクワクしますが、きれいに施工してくれています。
その前に
屋根材です。
屋根材はのびのび子ども住宅では金属屋根です。
金属屋根は基本一枚ものでやってきます。
長いものでは10m近く。
それ以上になると搬入が困難になるので考えなけれなりません。
時々、片流れですっごく長い屋根をデザインされる方がいますが、
それってかっこいいかもしれないけれどもどうやって搬入するのか考えている??ってことがあります。
屋根屋さんとこの前話をしていると
それこそ10m超える屋根材料の搬入しなければならない工事場所があったそうです。
片流れの屋根形状でかっこいいとおもったんでしょうね。
その設計者は。
でも
施工場所が小学校近くの交差点の角地だったらしく、大型トラックも駐車できないような場所。
車が工事現場に横づけできないことから遠くにトラックを置いてそこから一枚ずつ手で運んだらしいです。
そんなことってあります??っていうような話です。
施工性も考えなければなりませんね。
ちょっと余談でしたが。。。
金属屋根はそれが一枚ものでできていることがいいところ。
その分重ねる部分が少ないので雨漏れのリスクが極端に少なくなります。
カラーベストなどはやはり重ねがありますから雨漏れリスクが高まります。
一枚一枚は小さいし加工もしやすいのでいいのですが、どうも心配。
あと色褪せもあります。
外壁のリフォーム工事で屋根のチェックもしますが、やはりカラーベストは色褪せが太陽のあたるほうとそうでない北側とでは大きく違います。
劣化度合が進むのも心配ですね。
そして瓦。
そのデザインは好きな人は好きです。
しかし重たいです。
重たい屋根は耐震性にとって大きなデメリット。
あたまが重たい家になりますので揺れると大きく揺さぶられます。
そして
荷重がかかってきます。
耐震設計をするときは瓦は重たい屋根という扱いになりますので、耐力壁に量も増やす必要があります。
許容応力度計算で耐震等級3をクリアーさせていますが、さらに耐力壁は増えることになります。
これらを踏まえると屋根材は金属屋根です。
金属屋根のチェックはそれほど多くはありません。
それよりもルーフィングの時のチェックがいかに大事かです。
屋根が吹きあがるとまず問題は生じませんが、ビス抜けがないかなどの確認はしておくことをお勧めします。