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2022年2月スタートの新築工事=地盤改良=

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北摂 高槻で高気密高断熱 そして 許容応力度計算による耐震等級3の家を設計施工する
1級建築士事務所 株式会社のびのび子ども住宅 九万田です。


2022年2月着工、新築工事始まりました(*´▽`*)

今回の現場も、1級建築士ブログにて、現場リポート行います。

今週は地盤改良についてのお話です。

もくじ
地盤改良の工法を選ぶワケ
柱状改良とは何?

地盤改良の工法を選ぶワケ

地盤調査

昨年11月に地盤調査を行った結果、
この土地も地盤が悪く、地盤改良が必要でした。

地盤が悪いかどうかってちょっと気になるところ。
予想したよりも深く悪かったため、予算の見直しや工法の検討などさまざまおこなったことは以前のブログで書き綴りました。

前のブログはこちらをお読みくださいね。


 注文住宅の新築工事スタート =地盤調査=


前のブログを読んていただくと、なぜ地盤調査が必要なのかがわかります。


そして
その結果を受けて、地盤改良の工法を選んだのは、
セメントを流し込み固める柱状改良です。


この土地は地盤調査を行った結果、このようなことが分かりました。
それは
非常に硬くて地盤が強固な部分と
非常に柔らかくなっている部分が混在する地盤であること、
そして、それが山を下っていくように、道路から奥に向かって深くなっていること。


地盤は一定の深さで弱いなら弱い、硬いなら硬いというふうに
同じ深さである方がまだ施工方法の検討はしやすいのですが、今回はかなりばらつきがあり、
工法の検討を行ったのですが、選択肢が絞られてしまいました。


というのは
深さのばらつきに対応すべく、鋼管を打ち込む方法も検討しました。
しかしながら、予算が大幅にアップ。
ここまでアップしてしますと、さまざまなご希望を検討しなおさなければならないという程度。

鋼管は非常にコストも上がってきています。
材料費がぐーんとアップしていることもあり、深さ、本数を考えると、200万をオーバーしそうな感じ。

そして結果
今回は柱状改良を施工することに決定しました。


柱状改良とは何ですか?


柱状改良とは何?

柱状改良

地盤改良の方法と検討、
さまざまな地盤改良工事があるなかから選択していってほしいので
柱状改良についてもご説明します。


木造住宅での地盤改良工事を行うときは、
柱状改良がほとんどだと思います。
前にも書きましたが、

前の記事はコチラ

柱状改良は、現場が汚れやすいので、私としてはできれば避けたい工事です。
ただ、今回は地盤の強度や地盤の状態、そしてコストを考えて、現場が汚れるよりもそちらを優先しました。

現場はしっかり掃除すれば大丈夫ですから。



柱状改良とは
オーガーという大きな機械で、おおよそ直径60センチの穴を地中5m程度掘っていきます。

でっかい大穴が空きますが、
その穴があいたところにセメントミルク(改良剤)をどろどろーっと流し込み、固めていきます。

こう書くと簡単に思われるかもしれませんが、
これがなかなか難しい。


■まっすぐ掘ることが難しい。

まっすぐ立てて掘ってもなかなか進まないので、
斜めから掘り進み、機械をまっすぐに立てて調整し掘っていきます。

機械を操作する人の腕も必要ですし、周囲で機械がまっすぐなのかどうかを指示を出す人の判断も大事。


■掘った土の処理がたいへん。

掘りすすめていくと、当然地盤が悪い部分の土が出てきます。
水が多く含まれていたり、粘土質だったり。

機械にこびりついた土を取ってはよけて、取ってはよけての繰り返し。
この作業がほぼ手作業で行われますから大変な重労働。

そして
取ってよけたつちを外部に搬出する準備をするといった一連の作業が繰り返されます。
今回も3人で作業をしていただきましたが、まーあ、忙しいこと忙しいこと。

やることたくさんあって、段取り良くしなければならないことがよくわかります。


■セメントミルクの注入が難しい

どろーっと流し込めばいいんでしょ!!
というわけにはいきません。
高いところから流し込むと分離してしまうんで、そこに到達していることが大切です。
ですので、深さを確認しつつ作業を進めるわけですが、掘った場所が掘った状態に維持されていることなんてほとんどありませんので、再作業の繰り返し。
掘ったところは当然空洞になっていますから崩壊していたりしますし、崩壊した土でそこが埋もれている場合もあります。

セメントミルクを投入しても、予定深さに達していなかったら改良工事の意味がありませんから深さを確認する必要があるのはご理解いただけるかな。

そして
孔の中にたっぷり隅々まで注入し、周辺土と攪拌しながら形をつくっていきます。
孔の中に機械をいれて、ミルクを投入していく

簡単なようで隙間ない状態を作りながらまぜながら外に逃げていくわけですから、引き抜くときの力はけっこう必要になってきます。
攪拌を繰り返しながら引き抜き作業を行っていくのは難しい作業です。


そうやって出来上がった地中の柱は
今回34本にのぼりました。

これら1本1本が建物の自重を支えるとともに、短期荷重(地震や台風で揺れた時に鉛直荷重が働いて地盤に影響を与える荷重)にも耐えられる支柱となります。

1本の本数もそうですが、群をなしていることによって相互作用で土圧がかかり摩擦があがっていき抵抗していくことになります。

ふにゃふにゃだった土の中に
ぎゅっとつまった柱ができているわけです。
柱同士が土を押し合っているようになり、摩擦力もあがっていくんですね。

これで強い地盤に変わっていくことになります。

柱状改良

実際の作業の風景はこんな感じです。

孔がたくさんあいています。
じばんより低いとこりにポコポコと穴がありますよね。
それが柱です。


実際の基礎工事のときに
その柱が干渉しないように高さを決めていきます。

建物基礎の地中梁部分は低く、地中梁がない底盤部分は浅く仕上げます。

また
ひとつずつ、鏝で上部をきれいに仕上げていく作業を行います。
これも大事な作業ですね。


1日と半分で作業を終える予定でしたが、
まる二日かかりました。

やはり、引き抜き作業が難しかった様子です。
現場はよごれたのか?

実際はそれほど汚れませんでした。


それでも
土を掘り返しますので土埃もたくさん出てしまいましたし、ご近所の方も音も大きかったことと思います。
できるだけ環境にも近隣にも配慮した工事を行いたいと心がけています。