枚方市の新築工事=基礎設計=
北摂、高槻で高気密、高断熱、高耐震な高性能住宅を設計施工する
1級建築士事務所 株式会社のびのび子ども住宅 九万田です。
枚方市の注文住宅の新築工事始まっています。
実は上棟をしてずいぶんたっているのですが、現場監理に通い詰めでブログでのお知らせが滞っていました。
がんばって現場レポートお届けできるようにしますm(__)m
基礎設計で悩ましい部分は?
枚方の新築工事が地盤改良に続き、基礎工事をしました。
基礎工事のポイントはいろいろとありますが、今回は基礎の設計について触れてみたいと思います。
現場レベルで押さえておきたいポイントが様々ありますが
それはおいておいて、設計について悩ましい部分について話をしていきたいと思います。
基礎は文字通り、建物の基本部分であります。
建物の一番下にある部分ですから、それこそ、しっかりと間違いなくです。
そして
その中で悩ましい部分は、ここ。
人通口です。
基礎というのは
1階の床下部分であり、とてもとても狭い部分になります。
そして
上の画像のように、部分的に切り欠いたところがありますが、パイプが通ったり、人がもぐって通ったりできるように、
まさに人通口となっています。
この人通口は1本の一続きの基礎コンクリート部分を切り欠くことで作られた、いわば、空間です。
基礎はもちろん1本でずーっとつながっていた方が強いわけですが、それをパイプのためや、人が点検するために切り欠くわけです。
弱くなるわけですよね。
そういう部分をどのように作るのかが、悩ましー
まず
どこに設けるか?があります。
絶対にここには設けない!!ここはダメでしょう!!という部分をお伝えすると、
柱の下。
まあ、これはすることはないと思うのですが、柱があって、その下に土台が横たわり、その下が開口になっていると、柱から伝わる荷重が基礎に伝わらないことになりますからね。
これはしないとして、
耐力壁の下も考えモノです。
耐力壁というのは、筋交いであったり、面材(構造用合板など)であったりしますが、
地震の時、風が強く吹く時、建物が揺れるのを防ぐのが耐力壁です。
耐力壁ががんばって突っ張っているとしても、どちらかに傾き、柱を持ち上げようとします。
引き抜きといいますが、
その部分は基礎にも当然負担がかかってきます。
せん断といいます。
上下に引き裂くような力が生じます。
そういった部分には開口が来ないようにするように努めます。
上にある画像のように上向きの三角と下向きの三角が点で交わっているところがありますが、
その部分がせん断力がゼロの部分、ような安全な部分といえます。
逆に三角形の出っ張りが大きい部分
ここでは、7.39という数字がありますが、こういうぶぶんは上向きの力がかかっていることを表します。
当然、柱のある部分ですからこういう部分には作らないのですが、極力避けたい部分になります。
もう一つ考えなければならない力
上下にざっくり割くような力をせん断力といいましたが、
もう一つ考えておかないといけない力があります。
それは曲げです。
曲げモーモンとというのですが、
引っ張りと圧縮が同時に起きて曲げが生じます。
曲げってどこで起こるかというと、
せん断の逆なんですよね。
せん断というのは、てこの原理を思い出してもらえればいいのですが、端っこでギューッと押すと、反対側がボーンって持ち上がる感じですよね。
支点、作用点、反作用点、、、そんなこと習いましたって??
中学生ぐらいで習ったかもしれませんねーーーー
曲げは
その棒っきれの両方に力を入れると曲がってくるところが一番力が働いています。
つまり、中央ですね。
これって、
せん断とは逆で真ん中ということになります。
この二つの真逆ともいえる力のかかりにくい場所を見つけて人通口を持ってくるというわけです。
正直なかなか難しく、頭を悩ますこととなります。
単純に位置をどうのこうとというだけでは
その上にある間取りも関係することから、簡単には決められないわけです。
なぜならが
人通口は基礎を一本に通した時よりも間違いなく弱くなる場所であり、
将来、床鳴りなんかが生じてもおかしくない場所というわけです。
だから人が良く通る廊下やリビングにはできるだけ設けたくないけれども、
せん断や曲げモーメントを考えると、ここがいいのか?というふうに悩みだすわけです。
という風に悩みだすわけですが、
基本的には、基礎の端部から455mm入ったところに人通口を設けるようにしています。
要は
曲げモーメントが出来るだけかからない場所であり、耐力壁などから離れた場所に設置すると
両方の力から逃れられると考えるからです。