住宅の構造計算
高槻市の注文住宅の設計施工を手掛ける工務店
1級建築士事務所 株式会社のびのび子ども住宅 九万田です。
高槻市で現在、設計をしております注文住宅の構造についてのお話。
許容応力度計算がいったん完了しました。
プランニングがいったん終わると、、、
先日よりお伝えしています高槻市の注文住宅の設計です。
プランニングが固まり、構造がうまくいくのかどうかの検討をしていきます。
プランニングは眞理子が行い、
構造は忠孝が行っています。
プランを作成するときも眞理子と忠孝でああでもない、こうでもない、なんどもやり取りをしています。
お客様のご要望をいれながら、法的なチェック、そして構造のチェックを
頭の中で整理整頓しながら図面にしていきますが、
お客様の提案してOKをもらった後はそのあとに必ず構造をいったりきたりします。
いったんプランニングが終了した時点で構造がうまくいくのかどうかを確認しておかないと
そのあとに打ち合わせする内容に大きく課題を残す可能性があるからです。
プランは出来上がっても
構造がうまくいかないなんてことになると、どうしようもありませんから。。。
構造がうまくいかないというのはどういうことかというと
やたらと大きい梁が必要になってしまい、コスト面でよろしくない場合や、
のびのび子ども住宅ではダクト式の第1種機械換気を採用していることから、
ダクトが通らないような計画になってしまわないかなどのチェックが必要になるからです。
それに意匠的にぼこっと梁がでたりして見た目の良くない家になったり、
将来間仕切りをはずして大空間に改築できるように考えておくなど、
今段階のプランだけではなく、長く住み続けるための家だからこそ考えておかなければならないことがたくさん出てきます。
今回の家は構造のパースを見ても、完成イメージパースを見てもわかるように
道路側の2階が張り出しています。
オーバーハングという設計のやりかたです。
プランニングの時にも少し話をしましたが、
まずはファザードを考えて、どういう見た目のイメージの家にしていけばご要望にそった街並みにあう家になるだろうか?
考えていきます。
今回の注文住宅は
大きな住宅街の中にある一角。
比較的若い方々が住まわれているエリアで、その中に違和感なく、かつ、斬新で、こだわりをもった家づくりがなされていることが
そういうイメージが感じられる注文住宅のご提案になります。
また
ご要望から敷地の使い方、借景の取り方、日射取得やに日射遮蔽そして、ZEH基準に満たすための太陽光パネルの設置向きなど
さまざまなことを考えてのファサードデザインを考えていくと、
今回の家はオーバーハングの家になりました。
オーバーハングの家の難しいところ
オーバーハングの難しいところは
当然、2階の外壁面が飛び出していることですね。
2階の外壁面が飛び出しているので、その部分を本来は支えるための柱が1階にないので、
それを支えるための構造を考えていきます。
外壁は重たいためにそれを支えるための柱がないとなると
それを受けるための梁が大きくなっていきます。
また
屋根から荷重が、
外壁から荷重がかかる大きな梁は
曲がっていきますので、その曲げに対応する梁の大きさ、太さ、強度など検討していくことになります。
それに加えて、地震や台風といった耐力壁が外周面にくると
曲げも大きく、せん断といってねじ切ろうとする大きな力も働くことになりますから、
外周面には耐力壁を極力減らすようなことを考えていきます。
耐力壁が建物の内壁部分に必要になるなど
家のバランスを検討していく必要があり、そのあたりが、プランニングとの調整になるわけです。
そう考えると、プランニングというのは簡単なようで難しいですね。
使い勝手や見え方、明るさの取り方など考えなければなりませんが、
見えなくなってします構造についてもある程度把握しておかなければなりません。
のびのび子ども住宅では
眞理子と忠孝がああでもないこうでもないと話をしながら作り上げているのでスムーズにことが運びますが、
住宅会社の営業マンレベルでつくるプランというのはそこまで考えていないでしょうから、無駄も多いだろうし構造の成り立ちもひどいものになるのだろうと想像します。
さて
オーバーハングが難しいことはなんとなく伝わりましたでしょうか?
難しいといっても、慣れているのでそうでもないのですが、普通のいわゆる総2階の家に比べては難しくなります。
そして
今回特に注意したのが実はZEH基準です。
ZEH基準の構造計算
注文住宅を建てようかなと考えている方ならもうすでにお分かりのことでしょうが、
4号特例の縮小、平屋など大きさに限られて継続されますので縮小ですが、
2階建ての構造計算義務化は4号特例廃止ですね。
あわせて、4号特例廃止とともに省エネ義務化との関係です。
これがなかなか難しくなるだろうと思われます。
小池都知事からえーと思う発表がありました
東京の太陽光発電の掲載義務化、
まだ一部の住宅メーカーや建売分譲会社にとどまっていますが、
いずれはそれがどんどん広がっていき、住宅を建てるときは太陽光発電は必須となっていくのかな?と思うことでした。
これは
東京都だけでなく近隣の横浜?もそうだったと思いますし、
地方都市でもそのような条例ができていたと思います。
つまり
今後の家は太陽光発電は必須になるだろうことを踏まえて構造計算をしなければならなくなるということです。
これってどういうことかというと、
太陽光発電のパネルは重たいので、それを掲載する部分には荷重計算が必要になるということ。
当然屋根が重たいことによって、頭でっかちの家になりますから
ふらふらとする家になってしまいます。
そして
そうならないようにするために、耐力壁の量が多く必要になりますし、
柱の座屈といって途中でぽきっと折れないように太さを検討する必要があります。
すると、すると
梁の大きさや、柱の太さが一様に大きくなってくるだろうことが予測され
それをいかに経済的に考えるかがポイントになってきます。
4号特例廃止とそれだけを考えている住宅会社が多いですが、
省エネ義務化、ZEH基準の家義務化となると、4号特例がなくなるだけの対応では済まなくなりますよね。
大幅はコストアップにつながるのは必至です。
今回の
高槻市の注文住宅の家では高さを抑えた家を設計しています。
太陽光発電の設置部分には追加で荷重割り増しを検討した構造の注文住宅です。
そして
許容応力度計算で長期優良住宅の認定が受けられ、耐震等級3耐風等級2をクリアーしています。
お施主様はご存じかどうかわかりませんが、
知らないからそれで済ませるのではなく、ちゃんと所来のことも踏まえて設計をしてもらうことが大事だと思いますね。