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中古を買って戸建てリノベーションのススメ=性能向上リノベーション①=

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先日、中古を買ってリノベーションのススメの記事を書きました。
そうしたら、ネットニュースにこんな記事が。。。
もくじ
新築と中古の比較
性能向上リノベーションの耐震性
インスペクション

新築と中古の比較

その記事にあったのは
『家づくりを進めるうえで、検討する内容』というものでした。

具体的には
家づくりを進めるときには、新築と中古を同時に検討するということ。

そうなんですね~

家って、新築と中古とではイメージが全然違うものと思っていましたが、
家づくりをされる方は同じ天秤に乗せられるものなのだなーと改めて思った次第です。

設計者であり作り手でもある、のびのび子ども住宅 九万田としては
ちょっと別物だけれども、結果的には同じ質まで性能向上をさせることができるので、結果的には同じ。

つまり、中古を買って性能向上リノベーションをすることと、高性能住宅を建てることは同じなんですよと説明しているのですが、
受け取り側の意識もそのようになってきているのだなーと感じた記事でした。

先日の記事でも
不動産の値上がりについてお話しました。
不動産の値上がりはもう、半端なく、ガンガンあがっているイメージです。

具体的にもお伝えしましたが、1500万円ぐらいの相場は2000万円とか
2500万円の相場は3000万円とか、

500万円単位で値上がっているような感じ。


500万円上がってしまうと、やりたいこともできなくなってしまったりしますよね。
でも、このエリアに住みたいというご要望は変えられないのであれば、
中古を買ってリノベーションをするという選択肢を一つ増やすことが家づくりの方針でぐっと動きやすくなるということをお伝えしました。

でも
中古を買ってリノベーション、何が新築と違って、何に注意をしなければならないのか、
この点が気になることですから、お伝えしていきます。


さて、
新築と中古を買って性能向上リノベーションとではどういう点が違うのか?
というお話を進めていきますが、今日は耐震性についてからお話をしたいと思います。


性能向上リノベーションの耐震性

新築のお話をするにあたっては、耐震性はあまり気にしなくてもいいです。
のびのび子ども住宅の場合です。

どのレベルの設計をしているかというと
許容応力度計算をしています。

そのうえで、長期優良住宅の耐震等級3耐風等級2をクリアするレベルの設計内容です。

またまたそのうえで、設計者である九万田が現場監督までこなしていますので、設計図書の読み違いによる施工ミスの発生はまず起こりません。


かなり細かくチェックしていますので、
どんなチェックをしているかは、個別相談会などで聞いてくださいね。


さて、
大前提になるのが耐震性の歴史ですね。

あまりにも昔のことはやめて、まずは建築基準法が制定されたのは?という歴史から。
1950年です。

意外と最近ですよ。

で、大きく耐震性能について変わるのが、

1978年の宮城県沖地震です。ブロック塀などもこの時がきっかけですが、建物についてもここで大きく変わります。
いわゆる、新耐震基準です。

1981年、昭和56年が分岐点となって、壁量計算について大きく内容が変わりました。
必要壁量やその長さ、そして材質などですね。


1995年です。
阪神淡路大震災です。
私もびっくりしましたが、昨日遊びにいっていた神戸の街が壊れ果て、通っていた大学近くの橋が落ち。。。

これらによって地盤調査が義務化、
構造用金物で緊結
耐力壁のバランス配置

などなど2000年に変更となりました。


そのあと、姉歯事件があったり、長期優良住宅やフラット35Sなどさまざまなサービスが出てきたりで
細かな対応が行われてきました。

そして次は2025年ですね。


これらが基本的に抑えておかなければならない背景ですが、
中古を買ってリノベーションするとなると、チェックしておかなければならないのは、やはり耐震基準です。

なぜ耐震基準をチェックしなければならないかというと、
古くて耐震性のない建物の場合、こういうリスクがあります。

何かというと、
住宅ローンの融資可能金額が大幅に低くなる可能性があるということです。

どういうことかというと、
中古の木造住宅の耐用年数は22年と算定されるため、それ以上前の物件については建物の評価が低く土地の評価額までしか借りられないという可能性があるということ。

かなり小さな金額になります。

ましてや、耐震性があきらかにない、旧耐震物件となるとかなり低くなります。

住宅ローンを融資する銀行も商売です。
貸したお金がちゃんと戻ってくることを前提にお金を貸してくれます。

競売にかけても大丈夫なお金というのが上述の内容になりますから、石橋叩いて渡っているということです。

ですので、最低基準として
新耐震基準で物件を選ぶということが大事です。

つまり、昭和56年以降に建てられた物件ということになります。


それでも耐震基準は現在の基準よりも悪い場合があります。
だって、建築基準法はざる法と言われた時代です。

確認申請は出して設計上は通っているけど、実際は別物が建築されているとか、まったく違う内容だったなんてことは普通にあって
いまや当たり前になっている完了検査を受けていない物件なんて普通にあります。

それぐらい、建築基準っていいかげんな時代だったわけです。

いまは厳しくなっていますからそんなことはありませんが、中古物件を買うときは、昭和56年以降の物件だからと言って当時の新耐震基準に合致しているとおもってはいけませんよ。

あくまでも新耐震基準の物件以降の年代を選ぶというだけです。


では
それがどうなのかは。。。

インスペクション

昭和56年以降の物件だからと言って安心していいかというわけではなく、
疑ってかかってください。

そして
新耐震基準だからといって、今の耐震等級3とかイメージしてはダメです。

耐震等級は1以下なんだろうなーと思わなければなりませんよということをあえて伝えたい。

なぜなら
いい加減な時代だったから。

全部が全部そうだとは言いませんが、かなりの確率で設計内容と違う、現場の感で仕事をするとかの時代だったし。


ですのでそれが大丈夫かどうか
耐震診断を必ずやって、補強工事計画をすることが大事だということです。

一応、新耐震基準であれば耐震等級は1をクリアーしているとするならば、補強工事をすることでそれが耐震等級2にも3に近づけることも可能になります。

それはインスペクションの資格をもっている設計者に依頼をすれば可能です。


ちなみに
のびのび子ども住宅の九万田も耐震診断の講習をうけている1級建築士ですからインスペクションは可能ですので、ご相談ください。


実際に何をどうするかというと、
設計図書が残っていれば、それと比較をしながら建物をチェックします。

実際に小屋裏に入ると、筋交いと小屋梁が緊結されているかどうかはわかりますし、
基礎の中に入ると土台と筋交いが緊結されているのもわかります。


実際に小屋裏に入るとこんな感じになっています。

今だったら、左から右に流れている小屋梁の上にのっている小さな柱(小屋束といいますが)これを金物で緊結しているのが普通です。

また、束と束の間が離れているので、雲筋交いという小屋裏の中で筋交いを入れ揺れを防ぐつくりになっていますが、それらもないのがわかります。

写真には写っていませんが、柱と梁があり、筋交いが取り付けられている部分があったりします。
古い年代の建物は筋交いの金物を取り付けていなかったりしますので、それらのチェックも行います。


これは1階と2階の間です。

梁と梁が90度に結んでいる部分は羽子板金物で取り付けられているのがわかります。
この物件は左記の写真の物件よりも若い建物で、金物取付がされている建物ですね。

こういったことでその年代がわかってきます。


基礎の内部を見ると、人通口があるのがわかりますが、
人通口が割られたように丸くえぐられています。これらから、基礎には鉄筋が入っていないのだろうと予測できます。

基礎の補強が必要だという判断になるわけです。


こういう作業は丸1日かけて行えば判断できる内容で、
このインスペクションによって耐震診断をし、耐震基準適合証明書も発行できるようになります。


中古を買うときは、表面だけでなくさまざまなことをチェックしなければならないのですが、正直なかなかわかりません。

少なくとも、昭和56年以降の建物、
そして2000年を超えているとなおよい、

さらにいうならば、

確認済証と完了検査済証がそろっていれば本当にいい(100点!!)

既存図面もあればさらに吉です。


インスペクションをやって、次の段階でどんな工事が必要かを検討していけば、
性能向上リノベーションは可能になってきます。

次のブログでは、どんな工事をやっていくのかをお伝えしたいと思います。