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#takatukiヌックのある家 地盤改良

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#takatukiヌックのある家、新築工事がスタートしました。

過去、最も近い場所での工事となり、高槻市のご近所さまですねー

さて、今回の新築工事は地盤改良工事からスタートしました。

もくじ
安息角って何??
工事車両を持ち上げることから
他の選択肢

安息角って何??

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#takatukiヌックのある家の工事は地盤改良からスタートします。

先日のブログのとおり
地盤調査をして、地盤の強さの確認をします。

地盤調査は、スウェーデン式サウンディング試験を行い、建物の重さを支えることができるのかどうかを確認し、
十分支持力があれば地盤改良はする必要がありません。


今回はどうだったかというと、
建物を支える力が十分にある土地で判定はOKだったのです。

がしかし、
地盤調査をしてOKが出たのに地盤改良工事からスタートするのはどうしてでしょう?

それは
今回の高槻市の新築工事を行う土地が少し高台になっているからなのです。


南側の道路は幅がおよそ9m。
すごく広い道路なのですが、ほとんど車も通らない道路です。生活道路ですが9mあって車が通らないのはいいですよね。
南側だし、日当たりは抜群になります。

そのうえ、土地は道路面から3m程度上がったところ。
プライバシーも守られて日差しもぐーんと入ってくる建物計画ができます。

しかし、しかし
3mあがっているのは、掘り込み車庫があったり、土をとめる土留め擁壁があるからなんですよね。

その掘り込みガレージや擁壁がいったいどうなっているのか?

どうなっているのかというのは、
構造計算がなされているのだろうか?
コンクリートは中性化されていないだろうか、劣化は大丈夫だろうか?といった内容が明確に的確にわかるかどうか?ということです。


明確に

的確に

です。

そんなこと、わかりっこないんですよね。
昔の構造物ですし、その時の基準と今の基準、
また、その時の建物の重さと今の建物の重さ、
明らかにちがいますからね。

でも、市や検査期間はその安全のために十分な検討をするように!!という指示が出てきます。

安全に対して十分な検討って何よ??となるわけですが、
非破壊検査をして鉄筋の入り具体を調べたり、
コアを抜いてコンクリートの部材の検査や圧縮破壊検査で強度を調べたりする方法もありますが、
そんなことをしたって、古いのですから結果がすばらしくいいデーターがとれるわけもありません。


ですので、
新しい建物を建てるにあたってまずは

目視でひび割れがないかどうか、
鉄筋が露出していたり、さびが出ていたりしないかどうか、
水抜き穴が的確に配置されているかどうか、

などなど、基本的にそのままで使えそうかどうかの確認をチェックします。

この段階でダメであれば、当然土地のご提案をしていないわけど。。。


目視や打音で問題ないと確認して、さらに新しい建物を建てたとしても、既存の駐車場に土圧がかからない配置設計。

例えば、掘り込みガレージの上に建物が乗らないような配置計画をしたり、
圧力によって既存の擁壁が動いてしまわないように検討したりします。


土圧のかからない設計をしていくわけですが、
その基準になるのが、『安息角』です。

既存の駐車場や擁壁の足元から30度のラインで線を引き、その30度のラインまで基礎や改良工事を行うことにより
土圧がかからない計画にすることで、安全を確保します。


安息角対応の工事はよくある工事です。

例えば、
石積み擁壁や間知石の擁壁などもまだまだ多くありますから。
既存掘り込みガレージもそうですし、工事としてはたくさんあります。

そして
今回は地盤改良工事を行いました。

工事車両を持ち上げることから

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地盤改良工事といっても
工事車両の検討から必要になってきます。

今回は、レッカー車を呼んで工事車両を土地に持ち上げることにしました。

前面道路が広いこと、敷地の周辺に大きな建物がないこと、そして、電線などの邪魔になるもののないことなど
条件がいろいろ良いことがあったので大型クレーンで重機を吊っています。

25トンの特殊大型車両を用意し、掘削する機械を搬入。
たいへんな段取りですが、レッカーのオペレーターの方が非常にスムーズに上手に作業をしてくれました。


地盤改良は
地盤調査と既存ガレージ、既存擁壁の深さを考慮し、また新しい建物の重さを考慮した
地盤改良範囲を計算によって計画しています。

3mの深さですが、
地耐力なども考慮して4mの深さまで掘削。

掘削して改良剤(セメントミルク)と土を攪拌しながらコンクリートの柱をつくっていきます。

基礎の形状や基礎の深さなどを間違いなく指示して
改良計画通りに進めました。


もともと
地耐力のある土地だったので、改良をして出てくる土についても山の土のようへからっとした土で
粘土質なべちょべちょの土でもなく元々が良い土地なのだとわかります。

改良工事で一番悩ましいのは、やはり現場が汚れることです。

地盤が悪いときに行う地盤改良工事は土に水分を多く含んでいる場合が多々あり、
そうなりますと、重機にも汚れがつく、作業する人の靴にも泥がまとわりつく、

結果、
道路がドロドロなんてことがよくあります。

そうなると
掃除から大変になってしまい、近隣の方も道路がきたない現場という印象になってしましますから。


そして、今回の現場はきれいです。

また時間も午後3時には終了することができました。


安全にスムーズに作業が進むのはやっぱり素晴らしいなーと思います。
現場の管理をしていても、重機の配置計画から仮設計画やら、計画をたてて指示をしますが、
そうならない場合も多々ありますが、その計画通りに進むのはやはり協力業者さまのおかげでもあります。

他の選択肢

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安息角対応の他の計画案があるとしたならば、
基礎を深く作りこむ方法もあります。

深基礎工事といいますが、
今回は行いませんでした。

理由は2つ。

一つ目は
地盤改良をすることによって、瑕疵保険の地盤補償が得られること。

今年の3月から当社が取り組んでいる補償についてですが、
地盤補償についての取り組みも標準化しました。

こちらのブログをお読みください。

基礎を深くするのではなく、地盤調査をし、地盤改良工事をする必要があれば地盤改良をする、
今回は安息角対応の地盤改良工事をする必要がありましたので、後者になりますが、
瑕疵保険の特約で地盤補償を標準化しました。

少しでもお客様に安心していただくために地盤補償を行うため、基礎工事ではなく地盤改良工事としました。


もう一つの理由は
工事が大きくなってしまうことです。


一つの工程の中で済ますという点ではいろいろな業者さんの出入りが少なくて済むのですが、
基礎を深く掘るということは、
掘った土が崩れてこないようにする堰き板の工事や
また掘った部分に人が入って鉄筋を組んだり、防湿シートを施工したりする必要性からかなり大きく彫り込まなければなりません。

その分
残土も出ますし、コンクリート量も多くなります。
これは工程としてはいいのかもしれませんがお施主様のためになりません。

お施主様にとって最善の方法を選択するのも
工事監理の仕事です。

管理ではなく、監理がやはり大事。


工事方法は多種多様にわたりますが、
一番よい選択ができるように計画を考えていかなければなりませんね。

高槻市の新築工事現場は少し高台にあることをお伝えしました。
こういう高台の土地は慣れていないと大変かもしれませんが、計画をしっかりできるのであればメリットはいろいろとありますね。