枚方市の新築工事=基礎工事チェック=
大阪、高槻市の北摂で、注文住宅の設計、施工を行う
1級建築士事務所 株式会社のびのび子ども住宅 九万田です。
花粉の季節、やってきてますねー鼻むずむず、目かゆかゆ
辛いです、、、
枚方市の新築工事現場も大工工事が中盤になろうかというところ。
その前に、ブログは基礎工事についてです。
基礎工事のチェックの前に、鉄筋コンクリートとは?
基礎の工事において大事なことがいくつも、いくつもある中で、
今日は配筋=鉄筋工事についてお話をしていきたいと思います。
鉄筋コンクリートの基礎というのは本当によくできているのですが、
それは
水酸化カリウム(アルカリ性)を多く含むコンクリートが鉄を覆い、鉄を酸化させずに維持し続けるという仕組み。
これを発見した人ってすごいですねー
フランスのジョセフモニエ、
今の建築の基盤を作り上げたんですから。
この二つの物質を一緒に使うことによって引っ張りと圧縮の両方の特徴を併せ持つ建材が生まれたということです。
そして
鉄とコンクリートの膨張率が同じことも
発見時知っていたのか、知らなかったのか、
同じように膨張することで割れない建材になったわけですね。
しかし、
鉄筋コンクリートが万能というわけではなく、やっぱりしっかりと監理することでその役目を果たしていくわけです。
画像は何か?
これは私がゼネコンの現場監理をしていた時の物件です。
鉄筋コンクリートの耐震工事の現場ですが、
現場の鉄筋があまりにもひどかったのを覚えています。
外壁側に鉄筋が寄っているのがわかりますか?
鉄筋が外壁側に近すぎて、いわゆる【あぶり厚さ】が確保できていない状態でした。
よって
コンクリートが雨風にさらされ、アルカリ性だったコンクリートも中性化してきます。
すると
コンクリートで覆われていた鉄が年月とともに酸化していくわけです。
錆ですね。
これによって
もはや膨張率は関係ない状態になり、爆裂という状態になっていきます。
鉄筋が有効に働くために状態ではないです。
では
鉄筋コンクリートの大事なチェック部分とは何かということになりますが、
それは上述の鉄筋コンクリートの特徴となるアルカリ性と酸性の物質を2つ組み合わせていることという
①かぶり厚さ
②継手、定着長さ
③空き寸法
の3つだと思います。
かぶり厚さ
ゼネコンの現場のような状態になってはいけませんから
コンクリートに覆われている状態がちゃんとできているかを確認する必要があります。
それがかぶり厚さです。
かぶり厚さの基本は
①土に覆われている部分は6cm以上
②それ以外の部分は4cm以上
と規定されています。
鉄筋がしっかりとコンクリートに覆われていると錆に強い鉄筋の状態が維持されることはお伝えしましたが、
それ以外にも
コンクリートと鉄筋がしっかりと付着し一体化することで構造が維持されることや
火災時に鉄筋の温度上昇を防ぎ耐火性能を確保することが挙げられます。
このかぶり厚さというのはしっかりとみて確認する必要がありますが、
なかなかどうして、チェック漏れが多いこと。
瑕疵保険の検査員の仕事の依頼が時々まわってくるのですが、
ようは、他の会社の現場チェックを行くことがたまにあるのです。
このかぶり厚さというのが、出来ていない部分がよくあります。
耐圧版というわれる、
基礎の平たい部分についてはほぼほぼ問題ありません。
しかし、
写真のように彫り込んでいる部分、ハンチといわれる斜めになっている部分の鉄筋が土に近い現場というのはよくあります。
例えば
人通口の部分を掘り下げている場合、その部分の掘方が少なくて鉄筋が土との距離が近すぎる場合があります。
この部分を見落としている現場ってよくあるんです。
この部分は土に覆われている部分なので6センチを確保するのですが、びたびたに鉄筋が地面についているなんてことも。
どうなるかお分かりですよね。
土は湿気がありますから、鉄がさびてくるわけです。
錆が錆を呼んでどんどん膨れ上がります。
クラックも入りますし、コンクリートが割れてくる。将来強度が維持されるのかというのは不安で仕方ありませんね。
だから
耐圧版だけでなく、そういう部分もしっかりとチェックが必要です。
余談ですが、
湿気防止として防水シートを土にかぶせてその上に鉄筋を施工します。
そのシートが破れている現場も多くあります。
何のためのシートなのか?ということです。
お客様が払っている建築費が無駄にならないように、しっかりと監理する必要があるんですけど、破れているままで見過ごしている現場ってどう?
もっとひどいのは
防蟻処理をしたシートを土の上に敷いて配筋をしている現場もあります。
高いシートをわざわざしいているのですが、破れているって。。。どう?
って思いますね。
そんな高いシートを使う必要あるのかな。。。って疑問に思います。
それならばかぶり厚さをしっかり確保できるように、土の部分は6cmではなく、7cmに設定していくなどしたほうがよっぽど強い基礎になりそうです。
たかが1センチ、されど1センチです。
継手、定着
継手、定着という言葉があります。
鉄筋は長いまま使う方がいいのですが、なかなかそこまで長いものを用意できない場合があります。
だから、2本の鉄筋を使う場合は、継いで使うこと。
それが継手、
また
隅角部や交差部では必ず鉄筋を折り曲げて、折り曲げた先の鉄筋コンクリート内に飲み込ませるようにするのが定着。
これは40dという決まりがあります。
何それ?と思いますので簡単に説明すると
鉄筋の太さの40倍という意味です。
1センチの鉄筋を使っていたら、40倍なので40センチは定着とか継手長を取る必要があります。
まあ
1センチというのはあまりないのですが、
D13(13ミリの鉄筋)の場合だと52センチということになりますし。
D16の場合だと64センチということになりますね。
なぜこういうことをしなければならないかというと、
隅角部や交差部はひび割れが生じやすい場所です。
そう言う部分には定着が確保されていないとひび割れが生じ基礎の一体性が確保できなくなるからです。
特に
次回でお伝えするホールダウン金物が位置する場所は引き抜き力がかかるため大きな地震が来た場合、基礎コンクリートも割れてします可能性があります。
こういう部分には補強筋を増して配置するなど検討が必要なのですが、
なにせ、交差部、隅角部には定着長さを確保する必要があることをしっかり覚えておいてください。
だいたい
鉄筋工事をする職人さんはわかっているので大丈夫だと思いますが、
逆に、現場監督が分かっていなかったりするので、確認してくださいね。
また
立上りだけでなく、当然土の中の部分もそうあります。
そして
基礎の水平部分にも継手が使われる場合がありますが、
耐圧版に継手を使う場合は、継手位置をずらしているとかのチェックも必要になります。
空き寸法
空き寸法とは
鉄筋と鉄筋の隙間です。
隙間が空いていないとダメなんですね
どうして?
隙間が空いていないと、コンクリートが流れ込まないからです。
コンクリートとは
砂とモルタルと小さな石と水から出来ています。
この部材たちが隙間なく入り込み、そして鉄筋にからんでこそ一体化するんです。
だから決まりごとがあり、
鉄筋の太さの1.5倍以上で、粗骨材の最大寸法の1.25倍以上で、25mm以上を確保するとなっています。
先ほども言いました
瑕疵保険の現場検査員の仕事で他の現場に行きますと、この確保がされていない現場は多々あります。
隅角部、交差部は特にあります。
こういう部分はひび割れが生じやすいため、鉄筋量の多くなっている部分なのですが、よってよりコンクリートとの一体化が重要になるにもかかわらず
鉄筋の空き寸法を確保できていない部分があります。
これでは一体化しないかという部分は再度ばらしてもらって組みなおす必要があります。
じっさいの
のびのび子ども住宅でも鉄筋の組直しをしてもらうこともあります。
これではコンクリートが充填できそうにないなと判断した場合は、やり直しです。
職人さんとしてはめんどくさいのかもしれませんが、やっぱり基礎は手をいれればいれるほど良いものになります。
よってやり直しも仕方がありません。
ほったらかしが一番悪ですね。
また
こういう部分はコンクリートが回りにくいといことが明らかなので、
コンクリートを打設する場合には注意が必要だということもお分かりいただけると思います。
隅角部、そして交差部
どういう部分にそれが出てくるかというと、建物の隅っこや、人通口の部分です。
こういう部分の基礎の出来上がりをみれば、鉄筋の組み方がわるかったのだろうかと想像できます。
基礎コンクリートは手を入れる
基礎コンクリートは手を入れただけ強く、美しくなります。
ご理解いただけましたでしょうか?
次回は
コンクリートを流し込む打設についてお伝えしたいと思います。
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枚方市の新築工事は順調に進んでいます。現場の内覧もお施主様のご意向でどうぞ!!どうぞ!!とおっしゃっていただけています。
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