プランニングの手順4 ~高さを考えるの続き~
こんにちは
高槻市の1級建築士事務所で不動産が取り扱える
のびのび子ども住宅 九万田です。
プランニングの手順についてお話をしてきています。
今回も高さについてです。
第二話の続き プランニングの手順2の続き~車のことを考える~
プランをつくるのは楽しい。
毎日の生活をイメージして、家事動線をイメージして、などなど
ワクワク、キャッキャキャッキャ、ウフウフしながら考えていられますよね。
私も自邸をプランニングしていたとき
もう15年以上前のことですが、
ああでもない、こうでもない、と楽しく楽しく作っていたことを思い出します。
しかしそれは
平面計画のこと。
平面のプランニングは自由にできるけど、立面計画についてはなかなか取り組めない方が多いのかなって思います。
プランニングをする上では
高さを考えることを先にしておかないとうまくいかないことも多いんです。
だから先に高さを考える。
重要です。
高さには前回お話した
道路と敷地の高さの関係があることをお伝えしました。
前回のブログはコチラから
第二話の続き プランニングの手順2の続き~車のことを考える~
もう一つは
建物全体の高さを考えることです。
これは設計の意図することでもあるのですが、
高さは低く抑えつつ、安定感のある建物をイメージさせること。
高さの高い家は
間延びしたデザインになり不格好になりがち。
ひくく高さを押さえて横に長くデザインすることでボリューム感が出てくるんです。
また
あたらしく建てる家が高くなりすぎると近隣への影響も大きくなります。
近隣を無視した家づくりはお勧めできません。
近隣に調和した家づくりがやはりいい家だと考えます。
では
高さはどのように割り出していくのか?
材料の比率や断熱性能などいろいろあります。
例えば、材料で言いますと
外壁に用いる構造用板などでは、3mが基準になってきます。
流通している柱が3mが主なので、3mなのですね。
内部で言いますと270cmとか、240cmとかが、板の長さです。
すべて30cm単位のものが多いんです。流通している材料は30cmピッチだと考えてもいいでしょう。
一般的には天井高を240cmに仕上げることが多いと思うんですが、
そうすると240cm以上の材料を何かしら使います。
そしてその端数を切り捨てながら使っていく。
材料のあまりが出てくるというわけです。
240cm以上の高さの天井にすればいいじゃないと思うかもしれませんが様々なところに支障が出てきます。
1階と2階の間に配線や配管を通すのですが、そのスペースがとれなくなるとか、
なぜなら、2階の床を支える構造の高さを大きくなってしまって。。。などなど。
よって
合理的な一般的な天井高は240cmになっています。
しかし廃棄処分する材料が多くなりコストアップにつながっているということも知っていただきたい事実。
のびのび子ども住宅の設計ではもう少し低い230cmを基準に考えています。
こうすることにより材料の無駄をなくしていくこと=コストを抑えた計画が出来ることにつながります。
あわせて
のびのび子ども住宅の設計ではこだわりがあり
階段の設計を重要視しています。
1階と2階の高さを低く抑えることにより
階段スペースを最小限に抑えつつ、上り下りしやすい階段一段一段の高さに設計することが可能になります。
これは
プランニングに大いに関係することで、
階段スペースをできるだけ小さく描きたいと思われる方も多いですが、
高さの根拠をとらえていなければ平面の計画は出来ないこともご理解いただけると思います。
材料=コスト、そして安全性を考えると
高さを考えてからでなければプランニングは進んでいかないんですよね。実は。
高さを意識したプランニングをぜひ考えていただきたいです。
第二話の続き プランニングの手順2の続き~車のことを考える~