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高槻市の土間リビングのある家=工事レポート12=気密

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注文住宅の新築設計から施工まで、そして耐震改修工事・断熱改修工事といった大規模リノベーションまで行っています
高槻市の 1級建築士事務所 株式会社のびのび子ども住宅 九万田です。

高槻市の土間リビングのある家の新築工事レポートは、12回目です。

気密についてお伝えしたいと思います。

もくじ
気密が注目されるようになった
気密は3点セットで考えるべし
気密の施工
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気密が注目されるようになった

住宅について注目度が上がっていると感じられるのは、
気密でしょうか???

以前は、
耐震性についてずいぶん強く言われていたような気がします。
東日本大震災、熊本地震、北海道東部地震、

これらの巨大地震が起きるたびに地震についての議論があり、
耐震等級だ!構造計算だ!と話になりました。

特に熊本地震の時には
直下率についての意識が高くなったり、耐震等級2では家を維持することができないという話がでたり
地震についての話がありましたね。

そのあとは
断熱でしょうか?
やはり、温暖化の影響もあって断熱性能の高い家をつくるべき!!といった話になっていったと思います。

のびのび子ども住宅も
当然、地震に対しての考えや、断熱に対しての考えもしっかりともっていますが、
今日お話しするテーマの気密についても考えてきました。

もう
10年以上前のことですが、気密についてはどちらかというと反対でした。
ずっとエアコンをつけていなければならない家ってどうなの??と考えたからです。

しかし
父が家で倒れたことをきっかけに気密に対してしっかりと考えるようになっていったと思います。

実家は
昭和50年代に建てられた建売住宅で、断熱材も入っていなければ耐震性もない家です。
脱衣室は寒いし、トイレも寒い、家じゅう結露はするわで、THE 昭和の建売住宅 といった感じでしょうか。

夏は窓がいっぱいある家なので風通しがいい、
冬は着込んで暖房をガンガンたけばなんとかなるという家です。

その家に長年住んでいる父が倒れ、救急車で運ばれて、ああ、この家もなんとかしなければなって思った時期、
当然耐震と断熱は考えるのですが、気密についても考えていかなければならないなと思うようになったのです。

普通に断熱性能の高い家を建てていくと、普通に気密性能も上がっていきます。
あ、これはTHE昭和の家レベルの話ですが、断熱材がまったく入っていない家に断熱材をいれると隙間がなくなっていきますので気密性能は若干アップ!!

すると、
夏は壁内の風の動きがなくなるのでしょうね。
壁にさんさんと当たっている太陽の熱が、いままでは上昇気流によってぐーんと抜けていっていたのだと思いますが、
その隙間の部分が断熱材でいっきになくなってしまい、逆に通気が悪い家になっていったんだと思います。

よって
風通しが悪くなった??

窓がたくさんあったというのではなく、そもそも家には隙間だらけなわけですから、風の通り道が窓だけでなくたくさんあったというわけなんですよね。

そりゃすずしかろう~

夏はそんな感じですが、
冬はというと以前よりはたしかに暖かくなった。

暖かくなったけれども、やっぱりどこか寒い気がする、
足元が寒くなった?

ようは
差が生じてしまったということなんです。

既存の家の改修を行ったわけですが、
差が生じることによってより温度差を感じるようになったのかもしれません。


気密は3点セットで考えるべし

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実家の改修工事を経て
新築工事についてどのレベルの建物を提案していくのかを考えに考えて、
気密の基準を設けるようにしました。

それが、気密C値0.2以下の家。

現在まですべての建築で0.2以下で施工できてます。

しかし、0.2というのはどういうレベルかということです。

気密住宅について調べてみると、
1.0以下になれば高気密とうたっている会社もありますが、どうでしょう??

0.5は切りたいですね。

数字に惑わされてはいけませんが、
大切なのは、断熱をしても気密をしっかりしなければ、その隙間から空気が入れ替わってしまうということ。

入れ替わること自体は悪くないのですが、
計画的に入れ替わっていないということです。

のびのび子ども住宅は設計をするときに
換気について考えたんです。

よくアパートや建売住宅で使われているようないわゆる3種換気というもの。

トイレなどに使うパイプファンを24時間換気の計算として用いているやり方ですが
それって、本当に換気計画どおり空気の入れ替わりが行われているのだろうか??という疑問がありました。

空気の道があって、最終の出口はトイレの換気扇なのですが、
その途中はしっかりと空気を拾ってきているのかどうか?
よどんだ空気が入れ替わるようになっているのかどうか?

といった疑問があったんです。

24時間換気は1時間に0.5回空気が入れ替わるように計画しなさいよという決まり事。
居室といった人が集まる場所にはそのように空気の入れ替わりを考えなければなりません。
お風呂とか納戸とかそういう場所は逆に言うといらないんです。

トイレはにおいの問題もあって換気扇をつけるのが一般的、
だったら24時間換気の換気扇もトイレのものにしちゃえば~という安易な流れで設定されている建物が多いです。

だとすると
リビングやダイニングの空気の入れ替えに必要な換気扇のパワーがトイレの換気扇に要求されるということ。

考えてみれば
トイレの換気って無茶苦茶パワフルなんですよね。

つまり
必要以上の換気能力をトイレの換気扇に使っていることになります。

そりゃ、トイレ、寒いっす!!

本当はもっと緩やかでいいのに、パワフルー

逆に、本当にリビングの空気って入れ替わっているの?隅っことか?
トイレに近いところは入れ替わってるだろうけど、隅っこは本当に大丈夫?

なんだか、このやり方って、計画的ではないなーって思ってたんです。

よって
ダクト式換気扇をのびのび子ども住宅は選択しました。

そうなると、
ダクト式換気扇が計画通りに換気能力を発揮するにはどれくらいの気密性能が必要かということになります。

それが、0.5という数字。

ゆるやかな風の流れで、計画的に換気をするためには、
隙間がある家だと風の流れがうまくつくれず換気ができなくなります。

だから
隙間をなくしていくことが必要になり、気密性能はC値0.5以下が望ましいとされています。

さらに、隙間が少なくなる0.2以下まで気密を高めていけば、換気が計画的に行われるようになり、
隙間風のない家、上下温度差が生じにくい家になっていきます。

断熱=換気=気密

この3点セットで考えていかなければならない

気密の施工

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気密の施工はどうしているかというと、
土台から気密施工にはいっていきます。

土台敷の時にも画像をお届けしましたが、
土台に気密パッキンを敷き込み、そこでまずは気密。

そして
上棟後に行う気密パッキン、それからシート張りに時に行う気密テープ処理などなど

かなりの施工を行っていきます。

断熱材がセルロースファイバーでどちらかというと気密向けの断熱材ではありませんから
違う部分で気密処理を行っていきます。

そればボード気密

耐力壁になるタイガーボードEXハイパーを気密処理してきます。

このボードの裏側にパッキンをはり、柱や梁に密着させていきます。

隙間がそれでなくなり気密していくわけです。

たいがーぼーどEX ハイパー自体は透湿性があり、また
セルロースファイバー自体は湿気を含んだり放出したりする性能を持っています。

気密はとっても湿気は逃がしていくことができるため
壁内の湿気が建物の内部に滞ることがないようにしています。

今、壁内結露といった問題も出てきていますが、
それに対しても十分考えられた建物になりますね。

さて、
高槻市の土間リビングのある家の気密は??

インスタグラムやユーチューブでもお伝えしていますからご存じの方もおられますが、
改めて、

0.136でした。


ほっとします。

高槻市の土間リビングのある家も、基準C値0.2以下の家になりました。


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