高槻市の土間リビングのある家=工事レポート9=断熱までの木工事2
注文住宅の新築設計から施工まで、そして耐震改修工事・断熱改修工事といった大規模リノベーションまで行っています
高槻市の 1級建築士事務所 株式会社のびのび子ども住宅 九万田です。
高槻市の土間リビングのある家の新築工事レポートは、9回目です。
上棟をしてからの仕事についてお伝えします。
まずは構造金物のチェック
9月の下旬に上棟した高槻市の土間リビングのある家。
上棟から断熱までの工程について、今日はお伝えしますね。
株式会社のびのび子ども住宅は、上棟から断熱、断熱から木工事終了の2つの工程について大工さんにお伝えしています。
前半戦と後半戦みたいな感じです。
前半戦は、とてもとても忙しくやることいっぱいで、頑張ってもらう仕事が多いです。
一方、後半戦はじっくりゆっくり丁寧にのいわゆる、化粧仕事です。
ですので、今日は前半戦のお話。
まずは、構造金物ですね。
上棟した後、次の大きなイベントとしては、中間検査に向けて段取りをし始めます。
瑕疵保険の検査や、役所の検査がそれにあたりますが、構造設計図通りに施工がされているかどうかの確認を上棟後に行います。
具体的な検査内容は
・材料が設計図書と整合しているか
・耐力壁の位置が筋交い・構造用合板含め正しい位置になっているか
・引き抜き耐力の構造用金物が設計図書どおりに設置されているかどうか
・床合板の施工が基準通りの施工ができているかどうか
・小屋組部分の部材が適正かどうか
といった内容をチェックしていきます。
構造金物は上棟の時にお伝えした羽子板金物以外にもたくさんあり、
柱と梁をつなぐ構造用金物から、筋交いを止める筋交いプレート、基礎と柱をつなぐホールダウン金物、小屋束とつなぐかすがいなどなど
たくさんありますが、それらすべてをチェックしていきます。
設計図書は
柱壁伏せ図という図面を使います。
柱の位置を表し、そして構造壁の位置を表している図面です。
そこには、柱と梁をつなぐ構造用金物が記載されていますが、それらをチェックするのが基本です。
また
各階伏せ図も確認していきます。
床合板の取り付け方は四方釘打ちなのか、川の字釘打ちなのかなど確認しなければならないことがあります。
それによって床倍率が変わりますので。。。壁の強度については耐力壁のことで知っている方も多いですが、床の剛性も知っていただきたいことです。
床の剛性については後日お伝えしたいと思います。
とてもとても大事な構造の考え方なのですが、あまり知らない人が多いのではないかな??って思うことです。
が、とても説明が難しいのでいっぱいイラストをつくってお伝えしたいと思います。
後日ですね。
さて、
チェックはこんな感じ。
ホールダウン金物が指定の大きさの金物かどうかと柱に必要本数のビスが撃ち込まれているかどうか
柱頭金物が柱と梁に取り付けられているかどうか、時々間違っている方がいますので注意が必要な場所です。
筋交いプレートが柱に取り付けられているかどうか。また必要本数のビスが撃ち込まれているかどうか。
梁の継ぎ手部分です。短冊金物などで一体化しているかどうか。
のびのび子ども住宅は気密テープを短冊金物より先に取り付けているのがわかりますね。
外部の構造耐力壁の確認も重要です。
指定の釘で指定にピッチで釘を打っているかどうか。時々抜けていたり、時々深く打ち込みすぎていたりする大工さんがいます、
注意が必要なところです。
これらすべて金物をチェックしていくことが大事です。
それらが終わると、
ここも気密断熱を考えた施工をほどこしていきます。
熱橋になる部分はすべて現場発泡ウレタンでふさいでいくんです。
大事な作業ですが、大工さんの邪魔にならないように段取りよく仕事をこなしていく必要があります。
ちなみに
のびのび子ども住宅は制震ダンパーを採用しています。
採用しているダンパーはこちら
次にやることは、断熱下地です。
株式会社のびのび子ども住宅では断熱材を新聞紙の断熱材・セルロースファイバーを使っています。
屋根断熱は240ミリ
壁断熱は柱の太さと同じですので120ミリです。
セルロースファイバーは断熱性能が高いだけでなく、給放湿、吸音、防蟻、防火にも対応した優れた断熱材で、
気密性が高いのびのび子ども住宅では、どうしても冬場の乾燥が気になるため
断熱材には給放湿性能の高い材料を使いたいと考えています。
機密性能を高めるためと、
断熱材に湿気が含まないようにするために、室内に防湿フィルムを施工する会社がありますが、
ビニール袋の中で暮らしているような感じはどうも、、、気持ち悪いです、、、
よって
価格メリットがあるグラスウールですが、当社では使いません。
断熱材はあくまでも、デコスのセルロースファイバーを使います。
デコスのセルロースファイバーは優れていることは間違いないのですが、
その断熱材の下地をするのに、かなりの手間がかかります。
デコスのシートをはった中に断熱材を吹き込むやり方になるため
シートを止める下地を作っていかなければなりません。
屋根は屋根形状なりに、壁は壁の入隅出墨などにボード下地や可動棚下地などを
先行して行っていく必要があります。
当然、同時進行で電気屋さんが断熱材に隠蔽されてしまう配線作業を行ったり、
水道屋さんも同じように隠蔽されてしまう部分を先行して作業を行っていきます。
このあたりの現場管理がとてもとても忙しく、かつ、交通整理をしないと
スクランブル交差点のような状態になってしまい、どの職人さんたちも仕事ができずらくなってしますという結果になります。
だから
工程管理をびしーっとしながら進めていくことになります。
そして
お客様への協力も同時に。
それは
お伝えした通り、隠蔽配管は隠蔽配線が進んでいくため、もうこの段階では変更できませんよというアナウンスをします。
よって
電気の配線の変更ができなくなったり
棚の高さの変更ができなくなったりするわけです。
上棟後間もないうちにこれらのことに制限をかけていきますのでイメージがわかなかったりするなどお困りのこともあるやもしれませんが、
ご契約前にかなりの打ち合わせを繰り返して繰り返して進めていってますので大丈夫かなって思います。
デコスセルロースファイバーを施工するための透湿防水
大工さんがデコスセルロースファイバーを施工するための下地材を作ってくれている間
九万田は何をしていたかというと、
デコスセルロースファイバーを施工するための透湿防水シートを張っていたんです。
その様子がこちら
のびのび子ども住宅では断熱材はデコスセルロースファイバーを採用し
屋根に関しては、24センチの厚みを屋根下に施工します。
新聞紙の断熱材なので、吹き込むために【袋状】にしなければならず、断熱材を吹き込むスペースづくりをやっていたわけですね。
上棟の時の写真をごらんいただいたらわかるように
母屋に透湿防水シート(タイベックシルバー)をたらしています。
そして
タイベックシルバーの上から垂木をかけています。
通気は垂木間通気で設計施工し、
その下は、空気が動かない断熱層に仕上げています。
ようは、
断熱材の一番てっぺんが、タイベックシルバーで
断熱材の一番下が、デコスセルロースファイバーの専用シート
その間が24センチで
24センチの空間の中にデコスセルロースファイバーを吹き込んでいくわけです。
吹き込みますから漏れてはいけませんね。
ですので、そのタイベックシルバーを垂木間通気層に漏れ出ないようにシートとシートをつなぎ合わせて一枚のシートのように施工をしていきます。
これがなかなか大変。
狭い空間ですし、時には寝ころびながら施工をし、梯子を上ったり下りたりの繰り返し。
しかし、しかし
これをおこたると、どうなるか。。。
断熱材が垂木間層に飛び出してしまって断熱欠損になるだけでなく、
これが気密になっているんです。
そう、
のびのび子ども住宅での注文住宅は、屋根断熱のタイベックシルバーが気密シートになっています。
タイベックシルバーで気密になるの??と疑問に思われる方もいるでしょうが、
事実、この高槻市の土間リビングのある家の気密C値は0.16という好結果。
すごいでしょー
セルロースファイバーで気密?
タイベックシルバーで気密??_
そのように思われるかもしれませんが、ちゃんと施工すれば可能です。
しかし、しかし、実際たいへんで。。。
でもね
今回は違いましたよ
なぜなら
じゃじゃーん
マキタの電動タッカー
いやーいい買い物したなー
便利、そして、美しい、そして、早い
もっと早く買っておけばよかったーって思うくらいいいものです。
そんなこんなで、断熱までの木工事がすすんでいったのでした。
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