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高槻市の土間リビングのある家=工事レポート3=解体

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高槻市の1級建築士事務所 株式会社のびのび子ども住宅 九万田です。
注文住宅を建てるとき、新築建て替えをするとき、解体が課題になってきます。

家の解体ってどういうことが課題で出てくるのでしょうか?

もくじ
思い入れのある家を壊してしまうこと
解体と土木とデザイン
行政のバックアップもぜひ利用して
今後解体費用はぐーんと上がってくる
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思い入れのある家を壊してしまうこと

注文住宅で新築をするとき、新築建て替えをするときには、解体作業が必ずついてきます。
あれも不満、これも不満、いざ新しい家に!!
となった時、今住んでいる家は思い出がたくさん詰まっていて、解体するのが忍びないなんてことを思ってくるものです。

思い入れのある家が壊れていくのは、もの悲しさがありますね。


その一方楽しく、快適な新しい家が待っている、
そのように考えて進んでいくのですが、


解体においては
どこまで何を取り壊してくのか、という取り決めがまずは大事になってきます。

家においては
ほとんどが解体してしまう必要がありますが、中にはこれは再利用した、など色々出てきますね。

高槻市の土間リビングのある家のお施主様も使いたいものがいっぱいありました。

床の間の柱=床柱

和室の雪見障子

今となっては珍しくなってしまった模様ガラス

照明器具やインターフォンなどなど


古い家は何気なく毎日使っていた家ですが、
建築家のわれわれからすると、へーこれって面白いなー新しくデザインしなおすといいものになりそうだなー

なんてもの、お宝発見!!というふうになるもんですね。

中には
構造材を再利用したいと仰られる方もいたりしますが、
新しい建物の高さや長さに対応できそうにないものや、製材所に運んでカットして再利用する費用が想像以上にかかってしまったりと
お施主様の何気ない思いが、費用にぐーんとのしかかってくることもあったりします。

お伝えしとこなければならないことは、
再利用というのは材料費用のコストダウン以上に、その取り外しにかかる人件費や、保管料といった目に見えにく費用がのしかかってくるので、
割高になることを覚えておいてほしいです。

新しい家は、再利用以外にもやりたいことがいっぱいあったりします。
やりたいことをあきらめてまで再利用を活かす必要はない、なんてこともありますよね。

そのバランスが大事です。

しかし、建築家や作り手というものは、お施主様の意向をできるだけ取り入れたいと思うのは当然ですし、
意匠性を優先する場合もあります。

その古材を使うことを前提にデザインしていくと
費用換算は後回しになる場合が往々にして出てきますから、やっぱり注意が必要ですね。

出来上がれば、かっこいい!!思い出の復活!!となるのですが、
一方でやりたかったことができなかった可能性もあるわけです。

そのことは忘れずに!!ですね。


再利用といいますか、
解体範囲においては、土木の方も注意が必要です。

解体と土木とデザイン

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新築建て替えの際には考えなければならないのが、
土木のお話です。

といいますか、プランニング段階でまずは把握しなければならないことですが、
敷地の高さや、出入りの幅といったことです。

家の他に、外構を取り壊すことが多いです。
それは新しい家にした場合に似合った外構=お庭、にする計画もありますが、
新築工事をするにあたっての、重機が入っていけるのか、材料搬入が可能なのか、といった範囲を確定していく必要があるからです。

古い家ですと、車のサイズも小さく駐車場が今の車に対応できない場合があったりしますよね。
そうすると、当然工事期間に出入りするトラックや、上棟時に使用するユニック車やレッカーといった大型車、
基礎工事中のミキサー車やポンプ車などが入らないといったことになります。

おおよそ
新しい家の外構計画に特化した解体範囲の取り決めになってしまうことがあり、
工事中に上述のような作業車が入ってこれないがために、手作業や小運搬といった費用負担が発生する場合があります。

正直ばからしいです。

小運搬や手作業にかかる費用は莫大になりますから、
解体の時に解体をして、土を運び出し、整地しておく、といったほうが費用も抑えられることがあります。

この点を見誤らない現場判断が必要ですね。

分業で作業をしているハウスメーカーや設計デザイナーと施工者が別々の会社などは気を付けなければならない点だと思います。

建築と土木は似て非なるものですから、
土木部分については知らない、わからない、といった人も建築会社には多くいます。

木部については詳しい建築会社も、RCの部分や擁壁といった部分には不慣れな人も多いです。


ということで、
解体については、外構に関わる部分と、新築工事の際の車の範囲など考慮する必要があることを覚えておいてください。

高槻市の土間リビングのある家においては
大きな庭石、そして木々、車両の出入りができる範囲、の解体がありました。

よって
プランニングの際にはこの解体範囲をどこまでするのかをイメージして、
建物の配置計画を決めていったということがあります。

残す木、伐根伐採する木を決めて、
残す庭石、撤去する庭石を決めて、
家の中から何が見えて、何を見せないようにするのかをイメージしてくわけです。

高槻市の土間リビングのある家には
大きな掃出し窓が2つつきますが、その先に広がるお庭はどのようにしてくのか、

また
道路からのアプローチをどうするのか、
人と車の動線をどのように分けていくのか、

それらのことをイメージしながらプランニングは進めていきます。

そこに実務の施工レベルの解体範囲を合わせていく感じですね。


新しく新築建て替えを考えている方ならば、このようなことを考えてくれているのかどうかなど
チェックしてみてください。


そして
解体にはお得な情報も、

行政のバックアップもぜひ利用して

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写真は現在新築工事がスタートしたばかりの
島本町の家の着工前です。

道路側はしっかりとブロック塀で囲まれ高い壁になっています。

古いですからね、危ないです。

宮城県沖地震においてブロック塀の規制ができましたが
残念ながら活かされず、大阪北部地震ではブロック塀が倒壊し、小学生が亡くなられる事故がありました、

高槻市でした。

このことによりブロック塀の解体においては補助金が申請できることが多く知られ、
この島本町の家においてもブロック塀の解体の補助金が適用されることになりました。

ブロックの解体とかブロック塀からフェンスに取り替える工事が
大阪北部地震の後、行いました。

ブロック塀だけではありません。

建物に耐震性が無い場合は、その補助金が出るんですよね。

様々な条件がありますが、
建物が現在の建築基準法に合致していない場合、耐震性が低いと判断でいると
一定の条件を満たせば、解体の補助金も出るという仕組み。

年収制限やその行政区に住んでいるなど行政行政で条件は様々ですが、利用するのはありですよね。

ブロック塀の補助金と耐震に未達ということで解体補助金の両方が合わさり、
島本町のお施主様は50万円近くの補助を受け取ることができましたので、
随分とお得になっていますよね。

解体もバカにはなりませんから、こういった補助金を利用できるのはありがたいことだと思います。
そして、
面倒な手続きもさほどありませんでしたし、
補助金はお施主様の口座に直接振り込まれたので、どれくらいの日数がかかったかというのは詳しくはわかりかねますが、
何カ月も待たされるというようなこともなかったようです。


建物の工事中に補助金がちゃんと入ってくることも安心ですし、
利用できる方は、利用した方がいいですよね。


そして解体についてはお伝えしなければならないことがもう一つあるんです。

それは、解体費用もぐーんと上がってきています。

今後解体費用はぐーんと上がってくる

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今後は解体費用がぐーんと上がってくる??

これはおそらく事実であって、来年、2023年からはぐーんと上がってくるのではないかと思わます。

今年までは準備期間で推移していたことですが、
来年からは必ず実施しないといけないこと。

それが、
石綿含有建材調査の事前報告義務です。

叙述のとおり
石綿、アスベストですね、これの健康被害が社会問題化して久しいですが、
建築物の解体についてはこれまでザルのように抜け道があったのが事実です。

住宅に関しては、特に木造住宅に関してはそれほど深刻に考えなくていいのでは、
といいますか、アスベストが含有すると考えられている材料の比率が少ないから黙認されていたことがあります。


そもそも石綿とは

石綿を含む鉱物は破砕すると繊維状物資がほぐれ、断熱性、耐酸性、耐アルカリ性などの性質があり、
製造コストが安価であることから、『奇跡の鉱物』と呼ばれていたんですよね。

その一方
髪の毛の1/5000程度の細さといわれる石綿は、肉眼では見えない大きさで空中に浮遊し、
吸い込むと、鼻腔や口腔、→咽頭→気管支→細気管支→肺胞へと達し沈着していきます。

肺がんや中脾腫といった健康被害につながり
2018年には製造を禁止、材料としては使われなくなりました。

がしかし
古い建物の解体は今後まだまだ続き、石綿を製造する工場が存在しなくなったとしても
まだ健康被害が出る可能性があるのが現実です。


で、今後この規制がかなり厳しくなっていくのですが、
既にルールとしては始まっています。

それが、事前調査の義務です。


何の事前調査課というと、
解体工事開始前の石綿の有無の事前調査を行うように義務付けられ、
またその調査は有資格者によるものと決められています。

有資格者の事前調査が現状は未だ開始されていませんが。
来年の10月から開始しますので、その準備期間が現在にあたります。

これまでのように
木造住宅だから解体しても大丈夫といった説明ではダメになり、
本当に石綿が含まれていない建物なのかどうかの調査を行う必要が出てきます。

石綿が使用されていないという調査をしなければならないんです。


その根拠を示せということ、

そうなりますと
手間も時間もかかりますので、おそらくですが、解体費用としては大幅に上がってくるのが予想されます。


それ以外にも
運搬費用や外気費用もガソリンの値上げなどに伴い上がってきているのは事実。

家づくりの費用とは別のモノなのにこんなにかかるの?と思ってしまいますが、
これをクリアーしなければ、やっぱり駄目なんですよね。


家本体の費用の他にも解体費用も家づくりの一部です。
しっかり考えながら進めていかなければなりませんね。